top of page

家庭と連携した子ども支援

家庭教育力の低下が言われて久しく、これまで国や地方自治体でいろいろな取り組みがなされてきています。

しかしますます進む核家族化、交流の希薄な地域社会、社会生活の多様化などにより、目まぐるしく変化する社会情勢に個々の家庭が対応することは難しい時代となっています。

にもかかわらず、あらゆることが細分化し専門化する現代社会において家庭教育に求められるものはますます大きくなってきています。

 

例えば経済教育であれば一昔前は現金のやり取りを身につければよかったものが、現代では現金から仮想通貨まで多岐にわたるシステムの使い方を身につけなければならないのです。

情報教育においては親世代も経験がないほど進歩発展しています。また、あらゆる社会生活場面において頼りとしていた経験則が、多様化する現代社会ではそれに対応できない時代となってきました。

そして社会の最小単位である家庭においてもその流れを避けてあることはできません。

改めてそうした社会に我が子を送り出す家庭の役割を想ったとき、見えてくるのは「時間軸を少し長めに設定した俯瞰する力」と「生きぬく力」を身につけた「人」の育成ではないでしょうか。

幼児期から学童期にかけて培われた「力」は思春期以降にネズミ算式に大きく広がる「力」の核となります。

そしてそのための具体的な「力」とは、

・基本的倫理観(思いやりや善悪の判断など)

・コミュニケーション力

・危機管理、危機対処力

・情報リテラシー

・想像、創造、企画力

・協調、協働力

・集中力、先見力(感の養成)

であり、具体的な育成方法としては、

・生活習慣の定着

・基礎学力の定着

・経済教育

・パソコン教育

・プログラミング教育

・手作り教育

・自主、自活、自立、自律心の養成

・多角的な視点の養成

・傾聴の力の養成

・礼儀、社会的マナーの養成

・職業観の養成

などがあげられます。

 

しかし、1日の活動時間の大半を家庭外で過ごす多くの共働き家庭にとって、家庭教育に向けられる時間は限られています。

また、核家族化や少子化は家庭の孤立や育児環境に様々なひずみをもたらし、癒しとくつろぎの居場所であるはずの家庭が多くのストレスを抱えています。

そして急激な社会の変化により、もはや保護者だけで健全な家庭経営や子どもを健やかに育むには難しい局面にあります。

 

そこで、家庭と一体となり、家庭教育の一部を肩代わりして支援するため、NPO法人まなびやを設立し、「アフタースクールしみずまち」を開所いたしました。

家庭教育においては意図的に子どもに働きかける教育と、日常生活のなかで自然に行われる教育がありますが、後者のほうが子どもの人格形成に大きく影響するといわれています。

したがって、「アフタースクールしみずまち」では、放課後から保護者の迎えまでの時間を日常的な家庭生活を送るような環境で過ごし、家庭、学校と連携して家庭教育の向上を図ることを旨とします。

​理事長 北島眞由美

​アフタースクールしみずまちでの過ごし方

​NPO法人 まなびやは、子どもたちの伸びやかな成長をサポートをしたいという思いから始まりました。

ご家庭で、親が我が子に教えるようなことを、「アフタースクールしみずまち」でサポートしていきたいと思っています。

それは勉強に限らず、生活習慣や衣食住の管理、あいさつや人との関わり方、地域をはじめとした社会とのつながり、公共心、問題を解決する力など、生きることそのものが子どもたちにとっての「まなび」です。

かつては、地域社会に子どもが大勢おり、低年齢のうちから親を離れ、異年齢集団の子どもたちが自然の中で遊び、育ちあい、学びあう日常がありました。

しかし近年はそういった時代ではなくなっており、各家庭での「まなび」のウエイトが大きくなっています。

そこで、「アフタースクールしみずまち」では、子どもたち同士で遊び、育ちあう環境を提供するとともに、家庭的な観点からアプローチしていきたいと思っています。

これからの時代を生きる子どもたちが、自分のしたいことを実現できるよう、自立力・自律力の育成を目指します。

学習面では、毎日短時間で集中する学習習慣をつけ、基礎学力を定着させることが大切です。

そして、楽しんで学習し、継続して自学自習のできる子をめざします。

この力のある子は、目標や夢をみつけたときに、それにむかって自発的に努力することができます。

子どもがいざ、やりたいことや夢をみつけたとき、基礎となる土台や手段を持っていなければ、そこで一から学び、習慣をつけ、積み重ねなければいけません。

強い気持ちがあれば、気持ちだけで実現することも、一から始めることも、継続することも、不可能ではありません。しかし、それは大変困難で遠回りです。

目的のための手段は時には苦痛なこともあり、積み上げたものがない場合は多くの努力が必要です。そのため、せっかくの夢を挫折してしまいかねません。

子どもたちには、苦しんで耐えて我慢して無理をして頑張るよりも、できるだけ楽しく、はつらつと自然体で頑張ってほしいと思います。

なお、教材については各ご家庭の方針に沿いますので、お子様が通塾なさっている場合はそちらの宿題をお持ちいただいてもかまいません。あるいはチャレンジやℤ会、ポピーなどの通信教育、市販教材等をお使いのご家庭でしたら、そちらをご持参ください。

自主的に学校の宿題等の学習を行えるよう、サポートをします。

短時間集中・習慣づけを目標としておりますので、机に向かって勉強漬け!のようなことでは、まったくありません。

 

これからの時代は、論理的思考と読解力・表現力を連携する力をつけることが重要視されています。

目まぐるしく変化する社会において、知識・技能を身に着けることは前提として、さらにそれをどのように活用できるのか、どのような情報からどういった判断をし、それを他者へどのように伝えるか、という総合的な力が問われるのです。

これは、戦後70年で最も大きな変革といわれる、2020年度から始まった新学習指導要領の方針でもあります。

また、英会話や英語の歌などの聞き流し、そろばん、パソコン操作の入門やプログラミングソフトを使ったプログラミング、インターネットの使い方などのメディアリテラシー、時事ニュースのお話、洋裁や工作、かきかたや筆運びなど、

各ご家庭が求めるものを、私たちができる範囲で子どもたちに提案し、子どもたちが自由に参加できるよう、声掛けをしていきます。

支援員・補助員につきましては、そろばんやパソコン、習字などの先生ではありませんので、これはご家庭でもできるような範囲のものです。

親は我が子に、こんな遊びは興味持つかな?こんなのできるかな?と、いろいろ与えてみたり、一緒にやってみたりしますよね。そして、子どもが主体的にあそび、まなび、生活できるようにと願っていると思います。

そういった親の思いと同じような思いをもち、このアフタースクールしみずまちでもいろんなことをやっていきたい、子どもたちに働き掛けていきたいと思っています。​

 

したがって、結果を求める塾のようなところとは、形態も、目指すものも、目的も、性質も、内容も、まったく異なります。

私たちは、家庭と連携した子どもの育成支援、子ども家庭への支援という考えでおります。

これは、厚生労働省の放課後児童クラブ運営指針に沿った考えでもあります。

 

アフタースクールしみずまちでの生活や、子どもたち同士の育ちあい・学びあいを通して、子どもたちに自立・自律して生きぬく力を育んでほしいと願っています。

​副理事長 北島華奈

bottom of page